Japanese
English
論述
当科における外傷後膝関節授動術の検討
Quadricepsplasty for Traumatic Extension Contracture of the Knee
古賀 良生
1
,
中村 尚
1
,
田島 達也
1
Yoshio Koga
1
1新潟大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Niigata University School of Medicine
キーワード:
膝関節伸展拘縮
,
extension contracture of the knee
,
大腿四頭筋形成術
,
quadriceps plasty
,
早期可動域訓練
,
early ROM exercise
Keyword:
膝関節伸展拘縮
,
extension contracture of the knee
,
大腿四頭筋形成術
,
quadriceps plasty
,
早期可動域訓練
,
early ROM exercise
pp.1232-1241
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907719
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:当科の外傷後膝拘縮に対する授動術の方法,後療法の変遷と術後成績を検討した.1955年以降施行した膝授動術98例中,大腿骨などの骨折後が83例であった.手術法はThompson法に準じた四頭筋形成術と膝関節内剥離合併が主で,初期例では大腿直筋総腱延長を施行,膝蓋上嚢にJK膜を挿入し,後療法としては3週間の外固定を行った.これに対し,1981年以降は,直筋延長は行わず術中最大限の他動屈曲の獲得を狙い,術後早期自家制御最大屈伸訓練を,さらに1984年からはcontinuous passive motionを導入した.骨折後の83手術例のうち47例を直接検診できた.直筋延長群(11例)の成績は非延長群に比し劣っていた.非延長群について検討すると,関節内骨折(14例)関節外骨折(22例)で骨折部位による差は明瞭でなかった.検診時可動域90度以下(10例)を不良群とすると,これは術前可動域が25度以下のものが多く,術前50度以上のものはなかった.受傷から授動術までの期間が30ヵ月以上の例では成績不良が多く1年以内では少なかった.手術時年齢40歳以上は不良が多く20歳以下では不良例は少なかった.術後早期の可動訓練開始で術後最大可動域に達するまでの期間が短縮され,また最終成績も改善された.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.