Japanese
English
臨床経験
手舟状骨亜脱臼の1例
Subluxation of the Scaphoid: A Case Report
中野 謙二
1
,
山田 総平
1
,
渡部 圭介
1
,
加藤 公
1
,
細井 哲
1
Kenji Nakano
1
1山田赤十字病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Yamada Red Cross Hospital
キーワード:
carpal instability
,
subluxation of the scaphoid
Keyword:
carpal instability
,
subluxation of the scaphoid
pp.1115-1117
発行日 1987年9月25日
Published Date 1987/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907702
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抄録:手舟状骨亜脱臼の1例を報告する.症例は,51歳男,乗用車運転中の衝突事故で受傷,手関節腫脹,圧痛があり,X線撮影で,舟状骨—月状骨間拡大,舟状骨の短縮,ring signが認められた.観血的整復固定術を施行した.手関節背側を縦皮切にて侵入,舟状骨—月状骨間は完全に離開し,舟状骨は,背側に回旋亜脱臼を呈していた.用手的に整復可能で,手関節橈屈にて舟状骨—月状骨間が整復された.その位置で経皮的にC-wire 2本にて固定,靱帯修復後約4週間のcast固定を施行した.術後3ヵ月経過した現在同部に症状なく,可動域良好,X線的に軽度の舟状骨—月状骨間離開を残すが,ほぼ問題なく以前の生活に復帰している.手関節外傷によるcarpal instabilityのうちの舟状骨回旋亜脱臼と考えられ,これらは初期治療において整復固定を怠ると,将来手関節障害を残す要因となる為要注意であると思われた.
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