Japanese
English
臨床経験
大腿骨頸部骨折に対するケタミン・ジアゼパム持続点滴麻酔法の使用経験
Experience of Ketamine-Diazepam Drip Infusion Anethesia for Femoral Neck Fracture
渡部 圭介
1
,
山田 総平
1
,
中野 謙二
1
,
細井 哲
1
,
東 明彦
2
Keisuke Watanabe
1
1山田赤十字病院整形外科
2尾鷲総合病院整形外科
1Department of Orthopedics of Yamada Red Cross Hospital
キーワード:
ケタミン
,
Ketamine
,
大腿骨頸部骨折
,
femoral neck fracture
Keyword:
ケタミン
,
Ketamine
,
大腿骨頸部骨折
,
femoral neck fracture
pp.625-628
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907422
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:老人の大腿骨頸部骨折の際に一般に問題となってくる事は,より侵襲の少ない手術法の選択とともに麻酔法の選択である.今回,我々はケタミン・ジアゼパム持続点滴麻酔法を19症例に使用して良好な結果を得,心疾患等のhign risk患者へも十分利用できるものと確信した.麻酔導入として,0.1%ケタミン溶液500ml中にジアゼパムを10mgから20mg混入し,点滴ポンプにて持続点滴を施行する.本麻酔法の特徴として呼吸抑制はほぼ皆無で,術中・術後共に良好な自発呼吸を認め,前投薬処方後舌根沈下を観た1例を除き,気管内挿管を必要としなかった.覚醒遷延を2例10.5%認めるも,ケタミンの主たる副作用である神経症状はジアゼパムの併用にて解消され1例にも認めなかった.術後24時間後に95歳の1例に急性心筋梗塞の発症を認めたが,ケタミンの代謝等を考慮すると直接的な関連性は少ないものと思われた.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.