Japanese
English
論述
正中神経掌側枝単独損傷の治療経験
Isolated Injury of the Palmar Cutaneous Branch of the Median Nerve
高橋 徹也
1
,
荻野 利彦
1
,
三浪 明男
1
,
福田 公孝
1
,
中里 哲夫
1
,
加藤 博之
1
,
佐久間 隆
1
,
大西 信樹
1
,
薄井 正道
2
,
菅原 誠
3
,
小林 三昌
4
Tetsuya Takahashi
1
1北海道大学医学部整形外科教室
2札幌医科大学整形外科
3札幌逓信病院整形外科
4国立療養所札幌南病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hokkaido University, School of Medicine
キーワード:
正中神経
,
median nerve
,
掌側枝
,
palmar cutaneous branch
,
有痛性神経腫
,
painful neuroma
Keyword:
正中神経
,
median nerve
,
掌側枝
,
palmar cutaneous branch
,
有痛性神経腫
,
painful neuroma
pp.903-908
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907458
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抄録:[目的]正中神経掌側枝単独損傷で有痛性神経腫を形成したものについて,その臨床像と手術的治療の成績を検討した.[対象と方法]最近の7年間に経験した7例7手に対し,受傷原因,創瘢痕,合併損傷,初診時の臨床症状を調べた.手術は神経切除3例(断端の骨内包埋を包む),神経縫合1例,神経剥離1例の5例に施行し,術前後の症状の推移を検討した.[結果]受傷原因は外傷と手術操作によるものに大別され,創瘢痕は手関節掌側で長掌筋腱(PL)の橈側に及ぶのが特徴であった.合併損傷はPL断裂を2例,正中神経部分損傷を1例に認めた.臨床症状では全例がparesthesiaと疼痛による患手の機能障害を有していた.手術後は全例症状の軽快が得られ,神経縫合術が最も良好な結果であった.神経切除による知覚脱出は手の機能的予後に影響を与えなかった.[結語]有痛性神経腫の治療法に関しては未だ議論は多いが,本症においては可能ならば顕微鏡下に神経縫合を試みる価値は高い.
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