Japanese
English
論述
橈側偏位を示す母指多指症について
Clinical Feature and Treatment of Thumb Polydactyly with Radial Deviation of Both Components
荻野 利彦
1
,
石井 清一
1
,
薄井 正道
1
,
三浪 明男
1
,
福田 公孝
1
,
小林 三昌
1
,
坂田 仁
1
,
加藤 貞利
1
,
中里 哲夫
1
,
三浪 三千男
2
Toshihiko Ogino
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
先天奇形
,
congenital anomaly
,
母指多指症
,
thumb polydactyly
,
母指変形
,
thumb deformity
Keyword:
先天奇形
,
congenital anomaly
,
母指多指症
,
thumb polydactyly
,
母指変形
,
thumb deformity
pp.977-982
発行日 1984年9月25日
Published Date 1984/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907031
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緒言
母指多指症における骨の発育の方向は,分岐部の高さにより一定していると考えられている7).すなわち末節型母指多指症では,末節骨は互いに離反するが,基節型と中手型では,一たん離反した基節骨と中手骨は末梢で集合する傾向を示す1,10).ここでみられるIP関節あるいはMP関節の偏位は,本症の治療を困難にしている要因の一つである.偏位の原因としては,中手骨あるいは基節骨自体の変形の外に,腱の走行異常,IP関節への介入骨の介在等の因子が考えられている4,7,11).
一方,重複した毋指の末稍が共に橈側偏位を示す変形(以下橈側偏位型母指多指症と呼ぶ)については,まとまった報告はみられず,その病態についても明らかではない.今回,著者らは橈側偏位型母指多指症のX線像と手術時所見を分析して,変形の要因および治療上の問題点について検討を加えた.
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