Japanese
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整形外科基礎
高濃縮フィブリノーゲン(Tisseel®)を使用した神経接合に関する実験的研究—低濃度トロンビン添加による接着力と組織定量的検索
Experimental Study of Nerve Union Using Fibrin Seal: Tensile Strength and Morphmetric Study with a Method of Low Density Thrombin
光嶋 勲
1
,
波利井 清紀
2
Isao Koshima
1
,
Kiyonori Harii
2
1筑波大学臨床医学系形成外科
2東京大学形成外科
1Department of Plastic Surgery, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
2Department of Plastic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
フィブリン糊
,
fibrin seal
,
神経接合
,
nerve union
,
抗張力
,
tensile strength
,
低濃度トロンビン
,
low density thrombin
Keyword:
フィブリン糊
,
fibrin seal
,
神経接合
,
nerve union
,
抗張力
,
tensile strength
,
低濃度トロンビン
,
low density thrombin
pp.851-855
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907452
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抄録:低濃度トロンビンを添加したフィブリン製剤が,神経接合後の抗張力,再生軸索の成長にいかなる変化を及ぼすかにつき検索し,高濃度トロンビンを添加したものと比較した.
実験にはウイスター系ラット坐骨神経を用い,神経接合を行った.この際,接合物質として,高濃度トロンビン加フィブリン製剤群,低濃度トロンビン加フィブリン製剤群,縫合群の3群を作成した.術後経時的に抗張力の測定と術後4週目に坐骨神経を採取し,組織定量的検索を行った.その結果術後120分までは低濃度トロンビン群が高濃度群よりも強力な接着力を示した.また術後4週目の再生軸索数は低濃度トロンビン群が最大値を示した.以上の結果より,神経接合に際しては低濃度トロンビンを添加したフィプリン製剤の方が高濃度トロンビンを添加したものよりもより強固な接合力が得られ,接合部の瘢痕も少なくする可能性があるものと考えられた.
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