Japanese
English
整形外科基礎
フィブリン糊がチタニウムファイバーメッシュメタルへのbone ingrowthに与える影響―組織形態学的検討
The Effect of Intervened Fibrin Glue on Bone Growth into Titanium Fiber-metal Implants
曽田 是則
1
,
黒瀬 靖郎
2
,
山中 威彦
2
Yoshinori Soda
1
1庄原赤十字病院整形外科
2広島県立身体障害者リハビリテーションセンター整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Shobara Red Cross Hospital
キーワード:
total joint replacement
,
人工関節置換術
,
fibrin glue
,
フィブリン糊
,
bone ingrowth
,
骨侵入
,
histomorphometric study
,
組織形態学的検討
Keyword:
total joint replacement
,
人工関節置換術
,
fibrin glue
,
フィブリン糊
,
bone ingrowth
,
骨侵入
,
histomorphometric study
,
組織形態学的検討
pp.643-647
発行日 1998年5月25日
Published Date 1998/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902441
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抄録:セメントレス人工関節手術の出血対策にフィブリン糊が有効との報告が散見されるが,インプラントと骨との介在物となりbone ingrowthを阻害するのではないかという疑問が生じる.そこで,ポーラスタイプ人工関節に使用されているチタニウムファイバーメッシュ(TFM)内へのbone ingrowthのフィブリン糊による影響を組織学形態学的に検討した.日本白色成熟家兎24羽を使用し,膝関節面よりチタン製plugをpress fitの状態で骨孔に挿入(Ⅰ群),plugのTFM部にフィブリン糊を塗布した後,対側の骨孔に挿入(Ⅱ群)した.術後2,5,6,13週時に屠殺し切片をトルイジンブルー染色,光学顕微鏡にて各群,各週時で比較検討した.新生骨面積占拠率,最大進入深度ともに両群とも経時的に増加していたが,両群間での有意な差は認められなかった.本研究より,出血対策に使用されるフィブリン糊はbone ingrowthには影響を及ぼさず,安全に使用しうるものと思われた.
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