Japanese
English
境界領域
高濃縮フィブリノーゲンを使用した神経接合に関する実験的研究
Experimental Study on Nerve Union Using Fibrin Seal
光嶋 勲
1
,
松永 若利
1
,
波利井 清紀
1
Isao KOSHIMA
1
1東京大学医学部形成外科学教室
1Department of Plastic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
フィブリン糊
,
fibrin seal
,
神経接合
,
nerve union
,
再生軸索
,
regenerated axon
,
抗張力
,
tensile strength
Keyword:
フィブリン糊
,
fibrin seal
,
神経接合
,
nerve union
,
再生軸索
,
regenerated axon
,
抗張力
,
tensile strength
pp.735-741
発行日 1983年7月25日
Published Date 1983/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906789
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はじめに
神経損傷に対する外科的修復法としては,神経縫合術,神経接合術(sutureless nerve union)などがある10)が,最近のマイクロサージャリーの進歩によりそれらの手技も,よりatraumaticな方向へと変化しつつある.縫合法を用いない神経接合法は,atraumaticな点において最も理想的手技であり2),従来多くの外科医がその臨床的使用に努力してきた.歴史的には,1940年Young等によりplasma clotを用いた実験的神経接合が行われ,Seddon等がこれを臨床的に使用した7).その後1958年まで多くの外科医により追試が行われ,炎症反応による接合部離開の危険性が指摘された10).
その他の神経接合法としては,フィブリン膜で包む方法8),surgical tapeを用いる法3),組織接着剤であるmethyl-2-cyanoacrylateを用いる法5),凍結乾燥動脈を使用する法11),凍結乾燥静脈を使用する法4)などが報告された.また,非生物学的な物質としては,タンタルムチューブ12),シリコンチューブなど種々のものが報告されている.しかし,これらいずれの物質も接着力の弱さ,異物反応などのために臨床的に応用されるまでに至っていない.
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