今月の主題 出血傾向の新知識
知っておきたい出血性素因
異常フィブリノーゲン血症
井出 望
1
1徳島大第1内科
pp.916-917
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206034
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異常フィブリノーゲン血症(congenital dysfibrinogenemia)はフィブリノーゲン分子のアミノ酸配列異常などフィブリノーゲン分子構造の異常ないしはフィブリンモノマーの重合が完全でないため,凝固能をもたないフィブリノーゲンが血中にみられる遺伝子性血液疾患と考えられ,男女両性に出現する.本症でのフィブリノーゲンはトロンビン時閥が延長し,トロンビン凝固性フィブリノーゲンは低値であるが,免疫測定法などで得られるフィブリノーゲンは正常値を示す,近年,後天的にもある種の肝疾患(primary hepatocellular carcinoma,acute liver failure,chronic hepatitisなど)の場合にフィブリノーゲンの異常(フィブリンモノマー重合異常など)がみられたとの報告がある.
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