Japanese
English
論述
先天性脊柱変形に合併した尿路生殖器奇形の検討
Congenital Anomalies of the Genitourinary Tract Associated with Congenital Spinal Deformities
山元 功
1
,
金田 清志
1
,
佐藤 栄修
1
,
鐙 邦芳
1
,
倉上 親治
1
,
風間 昶
1
,
橋本 友幸
1
,
越前谷 達紀
2
,
後藤 敏明
3
,
小柳 知彦
3
Isao Yamamoto
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2国立西札幌病院整形外科
3北海道大学医学部泌尿器科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
先天性脊柱変形
,
congenital spinal deformity
,
尿路生殖器奇形
,
anomalies of genitourinary tract
Keyword:
先天性脊柱変形
,
congenital spinal deformity
,
尿路生殖器奇形
,
anomalies of genitourinary tract
pp.777-783
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907443
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:先天性脊柱変形症例は他臓器系の奇形をしばしば合併する.その中でも同じ中胚葉起源の尿路生殖器奇形の合併率は高いとされるが,報告は少ない.今回,先天性脊柱変形70症例について尿路生殖器奇形の合併を調査した.
尿路生殖器奇形は14例,20%にみられ,諸家の報告とほぼ一致した.また脊椎奇形を伴わない一般剖検報告よりはるかに高率であった.尿路系奇形を合併した脊椎奇形は,その奇形型別では頻度に差がなく,部位別では頸椎,頸胸椎部で胸腰椎部よりも頻度が高かったが,他部位間で差はなかった.合併した尿路奇形は9例II奇形で融合腎・腎偏位が7例と最も多く,その中で稀な交差性融合腎が4例にみられた.性器奇形は6例8奇形で,停留睾丸が多かった.脊椎前方侵入法による尿路系合併症の報告があり,特に本症のように尿路系奇形合併の頻度が高い場合にはその危険性が大きい.本症の手術治療に際し,術前に尿路系の検索を行うことは必須である.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.