Japanese
English
臨床経験
下垂足にて発症,他覚的に知覚障害を認めなかった胸腰椎移行部骨化疾患の3症例
Three Cases of Ossification at Thoracolumbar Junction Who Noticed the Drop Foot without Sensory Disturbance
井上 喜久男
1
,
見松 健太郎
2
,
榊原 健彦
3
,
原田 敦
4
,
牧山 友三郎
5
,
岡山 直樹
5
Kikuo Inoue
1
1豊橋市民病院整形外科
2名古屋大学整形外科
3半田市民病院整形外科
4高山久美愛病院整形外科
5国立名古屋病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toyohashi City Hospital
キーワード:
下垂足
,
drop foot
,
胸腰椎移行部障害
,
thoracolumbar lesion
Keyword:
下垂足
,
drop foot
,
胸腰椎移行部障害
,
thoracolumbar lesion
pp.731-735
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907436
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:下垂足を主症状とし,初診時においては知覚障害を欠くといった,まれな臨床像を呈した胸腰椎移行部骨化疾患の3症例を経験し,手術により症状の改善を得た.原疾患は,後縦靱帯骨化症,後方Kantenabtrennung,後縦靱帯骨化を伴う椎間板ヘルニアとそれぞれ異なっていたが,いずれの症例においても単純X線像にて胸腰椎移行部における局所の後彎形成がみられ,脊髄造影にては不完全ブロックであった,手術は2例は前方侵入にて圧迫の除去,後彎の矯正を行い,1例は後方侵入にて圧迫の除去を行い,いずれも良好な成績を得ている.この臨床症状の病因としては,①胸腰椎移行部における局所の後彎と骨性隆起とにより脊髄の前角のみ圧迫障害され,後角が障害をのがれ得た,②脊髄の前根後根付着部の相違,つまり知覚髄節の方が運動髄節より頭側に位置するため圧迫をまぬがれ,運動障害のみ出現した,といった2つの可能性が推察された.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.