Japanese
English
臨床経験
分娩麻痺に対する上腕神経叢神経縫合の一経験
Surgical Repair of Brachial Plexus Injuries in Obstetrical Palsy
松尾 隆
1
,
元 豊彦
1
,
森久 喜八郎
2
,
香月 正昭
3
Takashi Matsuo
1
1福岡県立粕屋新光園整形外科
2浜の町病院整形外科
3総合せき損センター整形外科
1Orthopaedic Department, Shinkoen Children Hospital Fukuoka
キーワード:
分娩麻痺
,
obstetrical paralysis
,
神経縫合
,
nerve repair〔suture〕
,
上腕神経叢
,
brachial plexus
,
損傷
,
injury
,
引き抜き
,
avulsion
Keyword:
分娩麻痺
,
obstetrical paralysis
,
神経縫合
,
nerve repair〔suture〕
,
上腕神経叢
,
brachial plexus
,
損傷
,
injury
,
引き抜き
,
avulsion
pp.777-780
発行日 1985年6月25日
Published Date 1985/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907218
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抄録:生後2カ月に受診し,1歳5カ月まで麻痺の回復が見られなかった右上肢分娩麻痺児に対し,上腕神経叢の展開を行い,神経縫合を試みた.術前,肩関節以下が下垂し,殆んど動きはなく,わずかに母指に外転の動きが認められる.手背に潰瘍が見られ,知覚障害,循環障害の存在が示唆された.手術所見では,C5,C6の神経根が引き抜かれ,リンパ節様の腫瘤を形成していた.C7,C8の神経根は断裂していた.C5,C6の線維をC7,C8の断裂に移行縫合した.術後,肩の挙上,肘の屈伸が可能となり,前腕手部の知覚過敏状態が改善し,潰瘍も消失した.肩胛帯,上腕の筋萎縮も改善した.本疾患については発症機序など多くの考え方があるが,外傷性上腕神経叢麻痺に類似した所見がある事,神経修復の可能性のある事が確かめられた.
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