Japanese
English
論述
双生児の特発生側彎症に関する検討
A Twin Study of Idiopathic Scoliosis
小熊 忠教
1
,
金田 清志
1
,
越前谷 達紀
2
Tadanori OGUMA
1
,
Kiyoshi KANEDA
1
1北海道大学医学部整形外科科学教室
2国立西札幌病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
特発性側彎症
,
idiopathic scoliosis
,
双生児
,
twin
,
遺伝
,
heredity
Keyword:
特発性側彎症
,
idiopathic scoliosis
,
双生児
,
twin
,
遺伝
,
heredity
pp.228-235
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906694
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
特発性側彎症の病因は未だ不明である.しかし,近年,Wynne-Davies26),Riseborough21),Cowell2),Plais20),De George4),Filho7),船津10)らによる特発性側彎症の疫学調査によって,本症では家系内発生頻度の高いことが明らかとなった.一方,人間に対する遺伝と環境の影響を知るための有用な一方法として,従来,一卵件と二卵性双生児を比較する研究が多方面で行われてきた.特発性側彎症の双生児研究は,1875年にGalton12)が初めて報告して以来,多数の報告がある1,5,6,8,11,13,19,20,22).しかし,これらの報告中,卵性鑑別が血液型判定により正確になされたのは,Fisher8),Gaertner11),Roaf22)の3報告にすぎない.さらに一歩譲って卵性鑑別が正確であると仮定しても,Gaertner, Roafを含め,ほとんどの報告は,一卵件双生児の症例報告である.したがって,これら文献から双生児例を拾い集めて検討しようとすると,一般集団に比較して,一卵性双生児の占める割合が二卵性双生児に比べて著しく高くなり,しかも,類似した双生児のみが集められることになる.その結果,一卵性双生児と二卵性双生児の比較検討にさいし,正確性を欠いてしまう.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.