特集 脊椎分離症・辷り症
総括/非手術例などの予後調査の部
酒匂 崇
1
Takashi SAKO
1
1鹿児島大学医学部整形外科学教室
pp.302-303
発行日 1982年4月25日
Published Date 1982/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906519
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このセクションでは,腰椎分離と分離辷り症の保存症例について長期経過観察について発表された.調査方法は直接検診或いはアンケートによる.まず木村浩氏らは17歳以下の32例について平均7年6月間における経過について述べた.臨床症状は,初診時腰痛や下肢痛がみられたが神経根症状のみられた症例はない.その後の経過では,症状の増悪した例はなく,腰痛や下肢痛を時々訴えているものがあるが,20例は無症状に経過している.
発症の誘因としてはスポーツが多く,辷り度は20%以下で,治療は1例を除いて全て保存的に行われている.本邦においては欧米と違い,辷りが進行し高度になる症例は極めて少なく,多くは保存的治療や経過観察のみで手術の必要なものは少ないと強調した.
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