特集 脊椎腫瘍(第8回脊椎外科研究会より)
総括
脊髄障害,剖検の部
金田 清志
1
Kiyoshi KANEDA
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
pp.331-332
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906099
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脊髄障害,剖検のセクションで5題の発表があり,脊髄障害例での膀胱内圧と神経機能回復,誘発脊髄電位による脊髄モニタリング,転移性脊椎腫瘍に伴う頑固な疼痛への対策としてのコルドトミー,転移性脊椎腫瘍による脊髄麻痺の病理解剖について報告された.
土田(虎の門病院)は各種脊髄疾患の膀胱内圧測定を術前後について行い,さらに膀胱内留置カテーテル法と間歇的導尿法施行例での尿沈渣所見と膀胱内圧測定から,手術後の排尿障害の回復は他の神経学的所見の回復に先んじて現れること,間歇的導尿施行例ではカテーテル留置例よりも尿沈渣所見に与える影響が少なく,かつ膀胱機能の回復がより生理的であると述べた.大島(登別厚生年金病院)の神経因性膀胱の改善だけの目的で手術適応があるかとの質問に,術前のcystometryの型により手術可否の決定したものでなく,術後の神経徴候回復に比し膀胱機能がどのように回復するかをcystometryでみたとのことであつた.術後の脊髄機能回復で膀胱機能と他の神経機能の回復との関連については言及されなかつた.
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