特集 脊椎外傷—早期の病態・診断・治療—(第7回脊椎外科研究会より)
総括
頸椎損傷—手術成績の部
金田 清志
1
Kiyoshi KANEDA
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
pp.409-411
発行日 1979年4月25日
Published Date 1979/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905898
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このセクションは以下の7題の頸椎損傷に対する手術療法が論ぜられ,とくに手術適応,手術時期,牽引療法,手術術式などについての討論が行なわれ井上教授(千葉大)と筆者が司会を行なつた.
さて,外傷による頸髄の完全麻痺あるいは重度の不全麻痺の治療は保存的に行なわれるべきか,手術的になされるべきかは議論され続けてきている問題である.受傷時の脊髄麻痺が可逆性の部分があるのか,全く非可逆性なのかを判定する確実な方法のないことが一因でもある.近年整形外科領域では外傷性の頸髄損傷患者に,二次性の脊髄障害加重の予防,機能障害の改善,合併症の予防,早期リハビリテーションの開始などの目的で損傷頸椎の整復と固定と脊髄除圧の早期手術療法が盛んに行なわれるようになつた.しかし,手術時期,手術方法,術後careとrehabilitationの方法など必ずしも一致をみていない.このセッションでは下位頸椎損傷の手術について7題報告され,1題が陳旧例に対する成績で,他の6題は手術の時期に相異があつてもほとんどが新鮮例に対する手術療法の結果の分析であつた.
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