特集 脊椎分離症・辷り症
総括/頸椎の分離・辷り症の部
金田 清志
1
Kiyoshi KANEDA
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
pp.305-306
発行日 1982年4月25日
Published Date 1982/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906521
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本セクションでは比較的珍しい頸椎分離症と分離辷り症につき4題の報告があった.池田(岐阜大)は2,097例の頸椎レ線写真を調査し,2例の分離症と1例の分離辷り症をみつけた.3例の分離症・分離辷り症の頻度は0.15%であり,先天性癒合椎は1%にみられたと報告した.C4に1例,C6に2例で全てspina bifida occultaを有していた.中野(中野整外)は7例を報告,1例のみC7にあり他の6例は全てC6にあり,全例ともspina bifidaを有していた.このうち56歳男性のC6分離辷り症の1例は外傷を契機に脊髄症状が出現し,前方固定術を受けた.松井(日赤医療センター)は7例を報告,C2が2例,C4が1例,C6が4例で,神経症状の合併がC2の1例とC6の3例にあった,Spina bifidaはC2の1例とC6の4例にあった.いずれも保存療法のみで治療された.片岡は6例を報告したが,その後C7の1例はelongationで分離を認めなかったため訂正した.このうち41歳女はC2とC6に分離を認め,C6にのみspina bifidaがあった,16歳男のC6分離辷り症は神経症状の合併があり前方固定術を受けている.
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