カラーシリーズ 整形外科医のための免疫学・5
関節リウマチの血清学的特異性—新しい組織学的アプローチ
吉野 槇一
1
,
石山 昱夫
2
,
小室 絵里佳
2
1日本医科大学理学診療科
2帝京大学医学部法医学教室
pp.532-535
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905929
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異常免疫反応は関節リウマチの原因ではないがその進展には深く関与しており,またD-ペニシラミン,免疫抑制剤,免疫調整剤といった抗リウマチ剤が開発され臨床に応用されて来ている現状では,免疫を知らないでは満足な治療ができない,といっても過言ではない.そこで関節リウマチと免疫のかかわりについて,また免疫学的研究の新しいアプローチなどについて述べてみたい.
"免疫’とは文字が示すように"疫を免がれる"という意味で自己に対して"益"になる反応である.しかし時として自己に対し"有害"な反応を引きおこす場合がある.これを異常免疫反応,またはアレルギー(広義の解釈)という.では異常免疫反応がどのような作用機序で組織障害を起こすのかを系統的に述べたのがCoombsらである1).Coombsらは異常免疫反応を(第1図)のように4型に分類した,なお,I型,II型,III型は体液性免疫,そしてIV型は細胞性免疫である.
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