臨床経験
大腿骨,硬膜外腔に発生し原発巣を決めかねた細網肉腫の1剖検例
加藤 隆
1
,
猪飼 通夫
1
,
榊原 弘喜
1
,
加藤 作郎
2
,
杉浦 浩
2
Takashi KATOH
1
1名古屋市立城北病院整形外科
2名古屋市立城北病院内科
pp.1050-1055
発行日 1978年11月25日
Published Date 1978/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905807
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
Reticulosarcoma(細網肉腫)は1928年Oberlingにより独立疾患としてリンパ肉腫から分離され,かつ同時に骨の細網肉腫の存在も示唆された.その後1939年ParkerとJackson10)により,従来Ewing肉腫,Hedgkin病,リンパ肉腫などに含まれていたものの中から臨床像および予後の異なる原発性骨細網肉腫が報告された.
硬膜外腔細網肉腫に関連する報告は,1910年Welchによる脊髄腫瘍としての悪性リンパ腫が最初である.硬膜外腔を原発巣とする悪性リンパ腫が存在するか否かは,この部位にリンパ組織が存在するか否かという解剖学的問題を含め論議のある所である.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.