巻頭言
日本の医学研究 雑感
三橋 進
1
1群馬大学
pp.265
発行日 1972年12月15日
Published Date 1972/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902938
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(1)今後の日本医学の基礎研究について
東大をはじめとして,日本の大学の医学部では基礎の研究室に入る医学部出の新人や大学院生の数が年々減少し,昨年のごとき東大では100名近い卒業生の中から1人も基礎の研究室に入らなかつたそうで,われわれの時代に比較して今昔の感にたえない。
その対策の一つとして,医学部出身の基礎研究者の待遇をあげて,臨床家のそれに近づけることが必要である。いま一つの重要な対策は理学部系,薬学部系のすぐれた新人をどんどん採用することである。私の領域で,すぐれた研究をしている欧米の学者でも,医学部出が著しく少ないことからも,将来このような方向で日本の基礎医学研究の振興をはからなければならない。
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