シンポジウム 頸部脊椎症性ミエロパチー
Cervical spondylotic myelopathyの前方法による手術成績の吟味
井上 駿一
1
,
黒岩 璋光
1
,
宮坂 斉
1
,
鈴木 弘
1
Shunichi INOUE
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.1018-1034
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905272
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Brain6)(1952)により本番各白勺にcervical spondylosisの病理,臨床像の記載が行われて以来,20数年をへた今日でもなお本症の病態,自然経過に関し多くのことなつた見解がなされている1)4)5)7)16)19)21)35)36)60).椎間板突出と骨棘形成による脊髄,神経根への機械的圧迫と血行障害,頸椎運動,とくに後屈による椎体の後方たりと黄靱帯肥厚によるpincer mechanismによる圧迫,前屈による脊髄引き伸ばしによる血行不全と骨棘圧迫増強,鉤椎結合部における骨棘形成,椎間孔狭小化による根および根動脈の圧迫,神経根周囲を硬膜における癒着と脊髄,神経根の固定,歯状靱帯による固定さらに脊椎管の先天性狭小化などが従来myelopathyの因子としてあげられこれらが複雑にからみ合つているものと想定されている,このように病態に不明な点が残されてはいるが本症に対する手術療法は主として除圧(decompression)と固定(fixation)が主な目的と考えられている42)52〜54)66).
さて本症に対する手術治療は歴史的に見て後方よりのlaminectomyが先ず行なわれAllen2)(1952)のlaminectomyを行つた19例に対し27ヵ月のflloe upを行い良好な成績を得たと述べたのが嚆矢とされる.
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