臨床経験
小児肘外顆骨折の治療
渡辺 健児
1
,
加賀 完一
1
,
米延 策雄
1
Kenji WATANABE
1
1大阪厚生年金病院整形外科
pp.1105-1109
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905622
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外顆骨折は,肘関節部骨折の中で顆上骨折に次いで頻度が高く,当院23年間に入院80例を数え,内75例が15歳未満の小児である.本骨折は肘伸展位で内反を強制された場合に起こるが,骨端核の出現時期が複雑なために初期診断が困難な場合もあり,外顆に附着するlateral ligamentと腕指伸筋群の収縮によつて骨折面に離開力が作用して外顆の剝脱転位を起こし易くほぼ整復された場合でも再転位することはしばしば経験される.初期のレ線診断で,前後,側面,斜位の三方向から転位の有無を確める他,経時的にも慎重な観察が必要である.
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