臨床経験
モンテジア骨折の治療経験
渡辺 健児
1
,
加賀 完一
1
,
鍋島 隆治
1
,
米延 策雄
2
Kenji WATANABE
1
1大阪厚生年金病院整形外科
2国立呉病院整形外科
pp.1214-1218
発行日 1977年12月25日
Published Date 1977/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905640
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
モンテジア骨折は,Weisが前腕部外傷1240例(15年間)の2.7%弱を占めると報告し,Boydは26年間に新鮮例74例,陳旧例23例を,Böhlerは22年間に,Salemは17年間に27例を経験するなど,頻度としては余り高くない.本骨折は,前腕骨骨折部位と橈骨小頭脱臼位(前,後,側方)によつて分類される.Boydの97例では,尺骨骨折は,骨幹部近位1/3が69例,肘頭部が19例を占め,橈骨小頭骨折12例橈骨骨幹部骨折6例が合併している.Badoも,橈骨小頭脱臼に橈骨骨幹部もしくは橈骨小頭骨折が合併するものを区分しているが,その頻度は低い.安達は,小児型として,尺骨中枢部の不全骨折と橈骨小頭の前方もしくは前側方えの亜脱臼を取上げている.橈骨小頭脱臼のほぼ2/3は前方脱臼である.年齢分布では20歳までに約半数の症例が含まれ,50歳以上が約1/6を占める.
私達は過去23年間に34例(15歳未満の小児13例,50歳以上4例)のモンテジア骨折を経験した.これは入院治療した肘部骨折516例の6%に当る.新鮮例は14例(小児5),陳旧例は20例(小児8)で,後者は,尺骨の橈側凸屈曲を示す変形治療12例(小児7)もしくは尺骨偽関節8例(小児1)と,橈骨小頭脱臼(後方脱臼1)を残していた.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.