手術手技
新鮮寛骨臼骨折および恥骨結合離開に対するJudet-Letournel手術
弓削 大四郎
1
,
舌間 憲士
1
,
森 康
1
,
富村 健
1
,
藤田 雅章
1
,
松尾 弘二
1
,
坂上 和平
1
Daishiro YUGUE
1
1山口県立中央病院整形外科
pp.968-979
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905601
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はじめに
寛骨臼骨折や恥骨結合離開に対して手術的治療を行なうか,保存的な牽引療法に終始するかは議論の分れるところである.われわれも1970年まではこれらの外傷に対しては保存的治療を主として行なつてきたが,実をいえば手術的方法をよく知らなかつたし,余り関心もなかつたので保存的に処置してきたに過ぎないのであり,そしてその成績はあまり芳んばしいものではなかつた.
筆者は1970年1年間のPrais大学Raymond-Poincaré病院での勤務中に数多くの重度の寛骨臼骨折を含めた骨盤-股関節外傷の手術に参加し,Judet一派の手術術式とその分類法を習得するとともに,その当時すでに約380例に達していた手術症例の遠隔成績の優秀さを知り,帰国後これらの骨折に対して積極的に手術的治療を行なうように方針をきめたわけである.ここでは手術的治療すなわち観血的整復術と骨接合術について述べる.
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