特集 胸椎部ミエロパチー
胸椎部ミエロパチーの診断
児玉 芳重
1
,
加藤 実
2
,
渡辺 秀男
2
,
太田 和夫
2
,
小野村 敏信
3
,
遠藤 紀
3
,
二宮 立三
4
,
畠山 勝行
4
,
三木 堯明
4
Yoshishige KODAMA
1
1京都逓信病院整形外科
2京部大学医学部整形外科学教室
3大阪医科大学整形外科学教室
4市立宇和島病院整形外科
pp.328-336
発行日 1977年4月25日
Published Date 1977/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905508
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はじめに
胸部脊柱の退行変性によつて脊髄症状を来たす,いわゆる胸椎部ミエロパチーは稀な疾患であり,日常遭遇する機会は少ない.胸部脊柱は頸部脊柱に比べてその可動性が少ない.また胸部脊柱管は解剖学的に狭い.そして胸髄の血行も比較的乏しく,他の部に比して易損性が高い.従つて頸椎部ミエロパチーと異なつた病態を示すのではないかと考えられる.
これらの相異を知る目的で,我々は昭和33年より昭和50年までの17年間に,胸椎椎弓切除術を施行された症例のうち,脊髄腫瘍,脊髄損傷,脊椎カリエス等の症例を除外し,いわゆる胸椎部ミエロパチーと考えられる19症例について調査し,その診断学的問題について検討した.さらにその治療成績についてもあわせて報告する.
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