臨床経験
一般手術室の管理と感染防止対策—とくに関節全置換術に関連して
渡辺 良
1
,
琴浦 良彦
1
,
奥村 秀雄
1
,
中根 康雄
1
,
高橋 直久
1
Ryo WATANABE
1
1岐阜市民病院整形外科
pp.167-171
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905478
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Clean orthopaedic surgeryにおける感染は,抗生物質のいわゆる予防的投与が広く行われている今日においても,昔と変りなく重大な合併症のひとつであるが,術後感染,およびその予防に特に大きな関心がよせられるようになつたのは,人工関節による全置換術の症例が増加しはじめてからである,人工関節置換術のように,巨大な異物を体内に永続的に埋没する手術では,術後に感染が起こつた場合,そのコントロールは非常に困難であり,salvage operationとしての人工関節抜去は,患者にとつて不幸な結果を残すことになる.抜去を前提として,一時的に金属材料が体内に埋没される骨折治療の場合よりも,一層厳重な感染予防対策が必要とされるゆえんである.
われわれは,昭和45年から今日まで,従来型一般手術室において人工関節置換術を行つているが,本論交においては,さまざまの感染予防対策,空中落下菌検査の結果などについて述べるとともに,手術室の管理についても言及したい.
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