論述
新鮮遠位脛腓関節離解に対するsyndesmosis stapling法(Cedell)
三谷 晋一
1
,
佐藤 悠吉
2
,
楠本 剛夫
2
,
土方 浩美
2
,
福沢 玄英
3
Shin-ichi MITANI
1
1健康保健総合川崎中央病院整形外科
2東京女子医科大学整形外科学教室
3田浦共済病院整形外科
pp.28-40
発行日 1977年1月25日
Published Date 1977/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905459
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はじめに
Cedell(1962)は足関節の回外-外旋損傷(supination-external rotation injuries)により生じた遠位脛腓関節を中心とする新鮮足関節損傷に対し,前下脛腓靱帯(anterior inferior tibio-fibular ligament)の観血的修復と同時に,修復された靱帯の補強固定のため,syndesmosis stapleを考案し,stapleにより,syndesmosisの固定を行なつた.腓骨骨折には,時に,cerclageで締結固定を行ない,また三角靱帯の断裂に対しては,靱帯の修復を行ない,内果骨折の固定にはPalmar pinを使用した.以上の方法により,非観血療法による成績(Magnusson,1944)と対比し,良好な成績を得たと報告している.
われわれは,このCedellの方法が従来行なわれている各種観血療法に比べて解剖学的および生理的により良く合致していると考え,さらに適応をひろげ回外-外旋損傷のみならず回内-外旋損傷により生じた遠位脛腓関節離解(Lauge-Hansen,Stage Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ)および脱臼骨折にまで,応用を試みた(第1図).現在までのところ,比較的満足すべき結果を得ており,今回は,その手術手技を紹介するとともに,われわれの行なつてきた手術経験にもとついて,文献的考察と若干の知見を述べる.
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