論述
足関節果部骨折の分類と治療
石田 義人
1,2
,
坂野 克彦
1
,
服部 順和
1
,
伊藤 晴夫
1
,
横江 清司
1
,
恒川 俊彦
1
,
杉浦 保夫
3
Yoshihito ISHIDA
1,2
1名古屋掖済会病院整形外科
2東京厚生年金病院整形外科
3名古屋大学医学部整形外科学教室
pp.1019-1027
発行日 1976年11月25日
Published Date 1976/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905429
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足関節果部骨折は,日常よく遭遇する骨折の一つで,軽症のいわゆる"Sprain"と呼ばれるものから,重篤な靱帯損傷,骨折,脱臼,脱臼骨折と,多くの損傷の型がある.Lauge-Hansenは切断した足肢を用い実験的骨折を作成し1〜4),骨折時における足部肢位と骨折を惹起する強制外力についての関係をあきらかにし,果部骨折のみではなく,脛腓靱帯断裂,三角靱帯断裂,脛骨後結節骨折,距骨転位等を含めて,明解にその傷害状況を分類した.足関節果部骨折は,転位を確実正確に整復して,骨折部の骨癒合と損傷靱帯の修復を計ることが肝要で,その傷害状況に適した治療法を行わないと関節面の不適合から変形性足関節症を招来して,疼痛,運動制限などを訴え,日常生活に著しい支障を来たすことになる.われわれは過去4年間に治療した141症例を分類し(第1表),そのおのおのの治療法を主体に若干の考察を加えて報告する.
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