臨床経験
特異な病的骨折を伴った原発性上皮小体機能亢進症の1例
伊藤 晴夫
1
,
坂野 克彦
1
,
石田 義人
1
,
服部 順和
1
Haruo ITO
1
1名古屋掖済会病院整形外科
pp.737-741
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905232
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
上皮小体機能亢進症は古くvon Recklinghausenの汎発性線維性骨炎の記載(1891)にはじまり,1925年Mandelが上皮小体腺腫剔出による治療法を報告してから独立疾患として重要視されるようになつた.しかしながら,本症はわが国においてはまれな疾患とされ,しかも報告例の多くが,尿路結石あるいは消化器症状より偶然発見されている.われわれは両側膝蓋骨上端部の剥離骨折を生じて来院し,大腿骨頸部病的骨折および上腕骨骨嚢腫の合併から精査をすすめて原発性上皮小体機能亢進症と診断し得た1例を経験した.上皮小体腺腫切除と骨接合術により治癒せしめ,3年以上の経過を観察する機会を得たので報告する.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.