臨床経験
陳旧性果部骨折の治療について
野村 茂治
1
,
鳥巣 岳彦
1
,
北島 俊裕
1
,
岩渕 亮
1
Shigeharu NOMURA
1
1九州労災病院整形外科
pp.913-923
発行日 1975年10月25日
Published Date 1975/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905258
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はじめに
足関節は日常生活においても,スポーツ,労働下においてもしばしば不安定な異常肢位を強いられ種々の足関節構成組織の損傷をきたし易いことは衆知のとおりである.しかもこの果部骨折が日常よく遭遇する骨折であり,診断もそれ程難しくないためか,第1線の病院において安易に処置され障碍を残して当科を受診する場合が少なくない.初期の不適切な処置が予想外に難治な障碍を残すことや,足関節固定術が日常生活において不自由なことが少なくない等の認識を新たにする必要性を痛感している.陳旧性となつた症例は新鮮例と異り,その処置は難しい問題を含んでいる.今回はわれわれが外科的処置を行つた陳旧例をもとに診断および治療法について考察したい.
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