視座
関節疾患の治療と膝人工関節
片山 良亮
1,2
1東京慈恵会医科大学
2東急病院
pp.907
発行日 1976年10月25日
Published Date 1976/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905413
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関節疾患の治療に際し,常に思うことであるが,運動性,荷重性,形態ともに発病前の状態に治すのが理想である.しかし,実際には,しばしば実現し得ないところから,ADLに不便のない所まで治すという便利な言葉が生れてくる.しかし,できないからといつて次善の状態に止まつて満足するのは一種の敗北主義でしかない.これを克服してゆくのが研究者の立場ではあるまいか.
たとえば,膝関節では正座の可能な状態にまで治癒させるのが1つの理想である.今,これを膝人工関節についてみるに,近頃の傾向は直角あるいは直角を少し超えるところまで屈曲できれば,それでよいと思われているようであるが,これは誠に残念な考えである.
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