臨床経験
Pycnodysostosisの1例
石田 俊武
1
,
浅田 莞爾
1
,
越川 亮
1
Toshitake ISHIDA
1
1大阪市立大学医学部整形外科学教室
pp.544-549
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905363
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1962年,MaroteauxおよびLamyは,小人症,骨陰影の濃化,手・足指の末節骨の部分的形成異常,大・小泉門の開存や頭蓋縫合の閉鎖障害などの頭蓋骨の異常,前頭骨および後頭骨の突起,下顎角の形成不全などを主徴候とする症侯群を,Pycnodysostosisと命名した11).本疾患は,欧米においてすでに1923年,MontanariがAchondroplasiaの異型として報告しており,それ以後,1968年Sedanoらの調査によれば19),わが国の島(1950)16),青池(1958)2),梶井(1966)らの報告した3家系4症例を含めて,51家系73症例が集計されている.わが国においては,青池・石塚が,1945年口腔病学会東京部会5月例会に,"大理石骨病(アルベルス・シェンベルグ)について"と題して報告したのが最初で1),青池は,1954年本症を,"新しい遺伝性骨疾患,Dysostosis generalisataとOsteopetrosisの合併型に就て"と題して発表している2).以後石田了久らの報告によれば8),29家系41症例が集計されている.われわれも最近本症と考えられる一例を経験したので発表する.
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