特集 整形外科の救急外傷
外傷後脂肪塞栓症候群と静脈血栓塞栓症の予防
松本 匡洋
1
,
竹内 一郎
1
,
稲葉 裕
2
1横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
2横浜市立大学整形外科
キーワード:
脂肪塞栓症候群(fat embolism syndrome;FES)
,
肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;PTE)
,
静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE)
Keyword:
脂肪塞栓症候群(fat embolism syndrome;FES)
,
肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;PTE)
,
静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE)
pp.610-615
発行日 2024年6月19日
Published Date 2024/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001805
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脂肪塞栓症候群は全骨折の約2%に発症し,多発外傷で好発すると考えられている。多くは対症療法となり,集学的な治療を要する一方で,急性期を乗り越えれば神経学的予後の良好な例も報告されている。また,外傷症例は受傷後にベッド臥床となることが多く,静脈血栓塞栓症の高リスク患者となり,ときに肺血栓塞栓症をきたす。外傷部位や出血素因により予防的理学療法や抗血栓療法の導入も困難となることがある。脂肪塞栓症候群も肺血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症)も救急外傷では遭遇しやすい合併症であり,念頭に置いて診療にあたる必要がある。
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