Japanese
English
シンポジウム 外傷に伴う呼吸器合併症の予防と治療
外傷に伴う脂肪塞栓症候群の治療経験
Fat Embolism Syndrome Following Trauma
下林 幹夫
1
,
稲田 有史
1
Mikio Shimobayashi
1
1奈良県立医科大学救急科
1Department of Emergency and Care Medicine, Nara Medical University
キーワード:
fat embolism syndrome
,
脂肪塞栓症候群
,
pulmonary thromboembolism
,
肺血栓塞栓症
,
trauma
,
外傷
Keyword:
fat embolism syndrome
,
脂肪塞栓症候群
,
pulmonary thromboembolism
,
肺血栓塞栓症
,
trauma
,
外傷
pp.613-617
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100702
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抄録:骨折を伴う高度な外傷の呼吸器合併症として脂肪塞栓症候群・肺血栓塞栓症が挙げられ,治療および診断に困難を極める.今回われわれは1992年から2002年までの10年間に当救命センターで経験した外傷に伴う脂肪塞栓症候群・肺血栓塞栓症の7症例を再検討し,特に急性期発症例での問題点を考察した.脂肪塞栓症候群を診断するうえで急激に発症する例ではどうしても肺血栓塞栓症を否定する必要があり,また治療が異なることからその鑑別には急を要する.われわれの施設では,まず非侵襲的な検査により右心負荷の状態を把握し,急を要さない全身状態であればherical-CT・肺血流シンチを行う.しかし,予断を許さない全身状態であれば経皮的心肺補助装置を装着して肺動脈造影を行うようにしている.整形外科医は患者の呼吸器合併症が発症した際の戦略を普段から立てておくことが必要であると思われた.
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