カラーシリーズ
関節鏡診断 6
渡辺 正毅
1
1東京逓信病院整形外科
pp.848-851
発行日 1975年10月25日
Published Date 1975/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905248
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膝以外の関節の関節鏡視のために1970年渡辺式24号関節鏡(Selfcc関節鏡)が開発された.その本体は直径1.0mmのガラス線である.Selfocは,特殊な組成のガラス線をイオン交換法によって処理して,屈折率が中心軸で最大,中心軸から離れて周辺にいくにつれて小さくなるように作られたガラス線である.光線は,このガラス線内では中心軸に沿ってサイン曲線をえがきながら進み,伝送による光量の減弱はきわめて小さく,しかも一定間隔で倒位像・正位像と交互に結像するからこのガラス線を適当の長さでカットすれば棒レンズとして利用できる.このガラス線の周囲に照明用光学線維を組込み,ステンレスチューブにおさめて外径1.7mmのスコープを作り,これに対眼鏡ocularを接続させ,像の拡大と色収差の補正をすれば,内視鏡として観察や写真撮影ができるのである,1mmの近接視が可能であるから小関節の観察も可能である.
24号による膝以外の関節鏡視は,まだ多くの未解決の問題を残しているが,近い将来実用化されるであろう.五十肩,小児肘関節骨折,小児先天股脱,成人股関節症初期,乳幼児膝関節障害,諸関節の骨軟骨骨折,離断性骨軟骨炎,関節鼠などは当面の対象として挙げられるであろう.
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