論述
関節鏡視からみたChorda cavi articularis genu(Mayeda)について
渡辺 正毅
1
,
武田 栄
1
,
池内 宏
1
,
榊原 壌
1
Masaki WATANABE
1
1東京逓信病院整形外科
pp.986-991
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904775
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえおき
膝関節腔内をしらべると,いろいろの部位に索状体をみることがある.この問題をとりあげて最初に詳細な研究を発表したのは前田友助博士で(第1,2図),1918年のことである1).しかし,これら索状体は繊細なものが多く,関節切開に際しても見のがされ易く,したがつて長年にわたり一般の注意をひくに至らなかつた.
1940年に飯野三郎博士は,成人屍膝関節における関節鏡的研究を発表し2),その中で日本人膝関節腔の内壁に特種な滑膜ヒダをみるものが多いことを指摘しこれをBandと呼びならわすこととした.そしてこのBandの辺縁に接近した部に孔状欠損があり,その結果辺縁部が索状に見えるものが存在すること,それが前田博士のChorda cavi articularis genuの第1種(I. Art)に属するものであるとした.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.