臨床経験
Degenerative spondylolisthesisに対する手術症例の検討
久保 健
1
,
村上 弓夫
1
,
馬場 逸志
1
,
渡 貞雄
1
,
志摩 隆一
1
Takeshi KUBO
1
1広島大学医学部整形外科学教室
pp.703-710
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905226
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分離椎弓を伴わない腰椎辷り症のうちNewmanは辷り椎下位椎間関節のdegenerative changeに関連性が深いと考えられるものに対しdegenerative spondylolisthesisという名称を用いている13,16).われわれはdegenerative spondylolisthesisでいわゆる脊椎管狭窄症様症状を有し保存的療法で効果のみられなかつたものには除圧を目的とした椎弓切除術を行つているが12),その例数は昭和44年5月より同49年7月までの5年間で20例である(第1表).
初期には一次的に椎弓切除のみ施行し二次的に前方固定術を行うよう計画したが,椎弓切除後多くの症例に症状の著明な改善が得られることから二次的に予定した固定術に関して患者の協力が得られず,そのままで経過観察の止むなきに至つた.しかし経過年数の増加とともに腰椎不安定性によると思われる不定愁訴を来たした14,17)数例を経験したことから2年前より椎弓切除術と同時に一次的に施行し得る後側方固定術を併用している.
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