論述
骨の悪性線維性組織球腫について—自験例2例と文献的考察
湯本 東吉
1
,
森 芳紘
1
,
稲田 治
1
,
前山 巌
2
,
古瀬 清夫
2
,
田仲 俊雄
3
,
武智 秀夫
4
Tokichi YUMOTO
1
1鳥取大学医学部病理学教室
2鳥取大学医学部整形外科学教室
3岡山大学医学部中検病理
4岡山大学医学部整形外科学教室
pp.646-658
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905219
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緒言
軟部組織における組織球の増殖を主体とする種々の腫瘍状増殖に対しては,Stout and Lattes20)の報告以来,線維性組織球腫と総括され,一定の特徴ある形態像を示すものとして独立した概念が与えられるようになつてきた.軟部の悪性線維性組織球腫については既に著者の1人湯本が詳しく総説している23).
1972年にFeldman and Normanが骨の悪性腫瘍の1つを骨内悪性組織球腫intraosseous malignant histiocytomaとして報告するまでは,悪性線維性組織球腫は軟部組織腫瘍に適用される名称として考えられてきた20,24).1974年にはMirra et al.13)が3例の本腫瘍を追加報告している.著者等7)は昭和49年度骨・軟部腫瘍研究会(大阪)において大腿骨に原発した線維黄色腫の再発例を報告したが,その後さらに同様の1症例を経験したので,これら2例の所見をまとめ,文献例を加えて,骨の悪性線維性組織球腫について述べてみたい.
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