論述
Ankylosing Spondylitisに対する頸椎部矯正手術に関する一考察
井上 駿一
1
,
土屋 恵一
1
Shunichi INOUE
1
,
Keiichi TSUCHIYA
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.964-974
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905108
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Marie-Strümpell disease,Pelvospondylitis Ossificans,Rheumatid Spondylitisともよばれる強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis)は通常仙腸関節にはじまり上行しながら椎間関節,靱帯の骨化をひきおこし,腰椎前彎の喪失,著明な頸椎,胸椎の前彎形成のため遂に仙骨より後頭部にいたるまでの全脊椎が1本の竹のように"bamboo spine"となり高度な日常生活動作の障害,重大な外傷の危険に常にさらされるところの特有な疾患である.本症に対する外科的矯正法は1945年Smith-Petersenにはじまり主として骨切り術による矯正が幾多先人の手により発表されている.今これらを通覧すると一般に骨切り部の高位としては比較的安全な腰椎上部を選んでいるものが多く,骨切り部より上位の頸,胸椎部における代償性前彎の形成により直立位を得ようとしている.
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