検査法
極微量X線による乳児先天股脱自動診断
土屋 恵一
1
,
井上 駿一
1
,
舘野 之男
2
,
田中 仁
3
,
飯沼 武
4
,
篠原 寛休
5
,
吉野 紘正
6
Keiichi TSUCHIYA
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
2千葉大学中央放射線部
3千葉大学放射線技師学校
4放射線医学総合研究所
5松戸市立病院整形外科
6国立習志野病院整形外科
pp.57-64
発行日 1976年1月25日
Published Date 1976/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905301
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はじめに
われわれは昭和45年7月より長野県望月町にて,46年4月より松戸市,47年10月より千葉市において乳児先天股脱集団検診を行つてきたが,X線による集団の性腺被曝が,重要な問題となつた.それに対処すべく,X線被曝線量低減の問題にとりくみ,新しい松戸検診方式12)を編み出し,X線撮影児を集団の1/4に選択することを可能とする一方,従来のX線撮影方式に改良を加え,性腺防禦板装着の徹底化,新しい超高感度増感紙の開発,高感度フイルムの使用によつて被曝線量を従来の1/100に低減させることが可能となり,さらに新たにX線像瞬時撮影装置の開発に成功し,被曝線量を1/500〜1/800に激減せしめることができたことなど,すでに報告12,14,15)を行つてきた.
今回われわれはさらに被曝線量の低減およびX線撮影大量集団処理の目的で,極微量X線による乳児先天股脱自動診断を試みた結果,理論的,実験的に可能となつたのでここに大要を報告する.
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