海外だより
英国のBioengineeringの現況—Leeds groupを中心として
寺山 和雄
1
Kazuo TERAYAMA
1
1信州大学医学部整形外科学教室
pp.755-761
発行日 1974年9月25日
Published Date 1974/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905047
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いとぐち
筆者は1972年12月1日から1年間,英国およびスエーデンに留学した.この間,1972年12月からの3ヵ月間はWrightington病院においてCharnlcyの人工股関節の基礎と臨床を学び,1973年3月よりの6ヵ月間はLeeds大学のBioengineering Group for the Study of Human Jointに所属し,英国におけるbio-engineeringの一部を見聞することができた.
関節のbio-engineeringは大別してbio-mechanicsとbio-tribologyに分けることができる.前者は関節の運動や荷重に関する力学的解析を行なうものであり,後者は関節の潤滑や摩耗を研究する学問である.Leeds groupはbio-tribologyに主力をそそいでいるが,私は関節症の発症病理の研究にたずさわつてきたことと,最近クローズアップされてきた人工関節の潤滑や摩耗の問題解明の手がかりをえようとしてLeedsを選んだ.bio-meehanicsに関しては,わが国においても,歩行の解析や義肢装具を研究しているグループは非常に進んだ知識をもつているが,私にはそういう知識が不十分であつた.しかし関節のtribologyを理解するには関節のmechanicsを理解していることが不可欠の条件であることをまず知つた.
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