視座
先天股脱の治療に思う
岩原 寅猪
1
1慶応義塾大学
pp.927
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905597
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先天股脱の研究もずいぶん追い上げてきたものだというのがこの頃のわたくしの感じである.学会で,研究会で発表される研究成果をみても,それにともなう論議を聴いても,旧いLorenz法時代に育ちその後の変革期を生きてきたわたくしには感慨深いものがある.
今から20年あるいは25年も昔のことであつたろうか,戦後の混乱がようやく落ち着きかけた頃のことであつた.乳幼児検診が取りあげられ,放射線被曝が問題になつたことがある.もちろん,それはまだLorenz法時代のことで,おむつカバー法がとりいれられてきた当時である.今にして思うとしかし,それはLorenz法の揺れ動き初めであつた.
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