臨床経験
苗場スキー場診療所におけるスキー外傷について
岡田 朋彦
1
,
佐藤 孝三
1
,
斎藤 次彦
1
,
筒井 勝彦
1
,
比企 能実
1
Tomohiko OKADA
1
1日本大学医学部整形外科学教室
pp.423-429
発行日 1974年5月25日
Published Date 1974/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904993
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はじめに
近年レジャーとしてスキーを楽しむことが一般大衆化しどのスキー場も混雑をきわめている.すでに知られているように,スキーはスポーツの中でももつとも外傷発生率の高いもののひとつである.通常トレーニングを行なつていない人でも気軽にできるスポーツであり,また高度に機械化されたゲレンデのため準備運動の不足を伴ない,これらが外傷発生のおもな原因のひとつであろう.したがつて各スキー場とも診療所が不可欠なものである.
当教室では新潟県苗場スキー場において昭和38年より診療所を開設し,シーズン中整形外科医が応急診療のトレーニングをかねて常駐し,スキー場パトロール隊と協力してスキー外傷の救護にあたつてきた.この間診療とともにスキー外傷についての調査も常に行なつてきた.すでに当教室峰岸ら(1966)8)は昭和38年度より2シーズンのスキー外傷における統計的考察と,safety bindingの及ぼす影響について報告を行なつている.今回われわれは外傷発生率,外傷種類別および受傷部位別頻度などについて9年前の峰岸らの報告や諸氏の報告との比較を行ない,さらに最近のスキー用具と外傷との関連性,その使用状況について調査した.その結果若干の知見を得たので考察を加えて報告する.
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