鏡下咡語
スキー狂
法貴 昭
1
1神戸大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.132-133
発行日 1987年2月20日
Published Date 1987/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210264
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各地の初雪の便りが報道されると今年の初滑りは何処にしようか,今年はどの技術をマスターしようかと思う。
ほとんど人の居ない高山の急斜面で腰まで潜る新深雪を滑る醍醐味は滑った人でないとわからない。足の裏にはほとんど感覚がなく,雲に乗っているような感じで,そのくせ少しでも前後左右のバランスを崩すと自力では立ち上がれないような大転倒の危険を伴っての滑降は正に"シーハイル"である。ここまでくるには数えきれないほどの大転倒の連続であった。八方尾根の黒菱の庭でリフトの下の新雪(新雪は早朝かゲレンデの端しか残っていない)を数回回転しては頭からの大転倒で,リフトに乗っている人の笑い種になる始末であった。今にして思えば当然の転倒である。
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