Japanese
English
論述
生体力学的にみた大腿骨頭無腐性壊死の進展について
Finite Element Stress Analysis on the Process of Development of Avascular Necrosis of the Hip
上尾 豊二
1
,
山室 隆夫
1
,
中村 孝志
1
,
奥村 秀雄
1
,
清水 彰
1
,
堤 定美
2
Toyoji Ueo
1
1京都大学医学部整形外科
2京都大学医学部医用高分子研究センター
1Department of Orthopedic Surgery, Faculty of Medicine, Kyoto University
キーワード:
大腿骨頭無腐性壊死
,
avascular necrosis of the femoral head
,
有限要素法
,
finite element method
,
応力
,
stress
,
生体力学
,
biomechanics
,
回転骨切術
,
rotational osteotomy of the femoral head
Keyword:
大腿骨頭無腐性壊死
,
avascular necrosis of the femoral head
,
有限要素法
,
finite element method
,
応力
,
stress
,
生体力学
,
biomechanics
,
回転骨切術
,
rotational osteotomy of the femoral head
pp.686-692
発行日 1983年7月25日
Published Date 1983/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906783
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はじめに
大腿骨頭無腐性壊死のレントゲン像を仔細に観察すると興味ある事象が認められる.それは,骨頭の壊死巣はこの部分への血流が断たれたための阻血性壊死であると広く認識されているにもかかわらず,そのレントゲン上で示される壊死範囲は,通常の血流支配領域に一致していないということである.図1はSLEに合併した大腿骨頭壊死であり,ステロイド投与も受けている.最初に股関節に症状が出てから約1年後に,レントゲン上の変化として骨頭頸部に帯状硬化像が出ている.ついで最終的にこの硬化像より中枢部は広範に壊死巣となっている,ところが,骨頭内の血管分布4,7)をみると,血管の閉塞がどれかの血管分枝に生じたものとすれば,閉塞範囲は明らかに壊死範囲に一致しない(図2).
血管の中枢側にて,より広範な閉塞を生じたとも考えることはできるが,病理学的にみて壊死領域外での血管閉塞は観察されていない3).
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