論述
示指MP関節背側脱臼について—特に整復障害因子についての考察
津下 健哉
1
,
渡 捷一
1
,
吉村 理
1
,
平松 広夫
1
Kenya TSUGE
1
1広島大学医学部整形外科学教室
pp.894-901
発行日 1973年11月25日
Published Date 1973/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904904
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示指におけるMP関節の背側脱臼は比較的稀であるが,しかし本脱臼が発生するとその徒手整復はきわめて困難で,多くの場合観血的整復が必要となる.その原因としてKaplanは井桁構造による骨頭の絞扼をのべ,手術としては掌側切開を用いて整復すべきことを述べた.この考えはその後多くの人に受け入れられ,最早疑う余地のないものとして今日に至つているかのようであるが,われわれは最近経験した本脱臼の2,3の症例からこの考えには多少の修正を要するのではないかと考えるに至つたのでその大略につき報告したい.
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