臨床経験
軽微な機転により四肢麻痺を来たした頸椎後縦靱帯骨化症の症例
竹田 毅
1
,
有馬 亨
1
Tsuyoshi TAKEDA
1
,
Toru ARIMA
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.949-953
発行日 1972年11月25日
Published Date 1972/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904770
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はじめに
頸椎の後縦靱帯に石灰化あるいは骨化を認める疾患については,1960年,月本13)が「脊髄圧迫症候を呈した頸椎椎管内仮骨の剖検例」と題して,第1例を報告し,寺山14,15)が,この疾患と既知の脊椎の変性疾患,即ち,強直性脊椎関節炎,いわゆるForestier病,変形性脊椎症などとの相違点を指摘すると共に「頸椎後縦靱帯骨化症」という病名を提唱した.その後本症については諸家により種々の角度から研究がなされ.報告例も多数にのぼり既に稀な疾患ではなくなつている.しかし本症の患者が外傷を誘因として.突然四肢麻痺を来たした報告例は,比較的少ない.著者は最近,本症の老人が軽微な外傷を契機に,突然四肢麻痺を来たした症例を経験したので報告する.
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