臨床経験
大腿骨骨頭辷り症—経過観察と治療法の検討
広畑 和志
1
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科教室
pp.959-967
発行日 1969年12月25日
Published Date 1969/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904167
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はじめに
大腿骨骨頭辷り症は,わが国ではきわめて稀な疾患である.しかし欧米では決して珍しいものではない.本症の原因や発生機序についてはなお,いくぶんかの検討や論議の余地が残されている.しかし,臨床像,治療の適応,治療成績に関しては,多くの記載があつて,それらの報告者の見解にもそれ程の差は認められない.とくにHoworthを中心として,1966年総括されたシンポジアムの内容には,これらのことが盛沢山含まれている.
一方,著者は,この疾患の少ないわが国において過去15年間に,6例を経験した.しかも最短1年から,最長11年5ヵ月にわたつて各症例の臨床経過を観察して,その治療法を検討する機会を得たので,これらについて報告する.
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