論述
痙性まひの治療—痙縮の除去について
広島 和夫
1
,
小野 啓郎
2
Kazuo HIROSHIMA
1
,
Keirô ONO
2
1聖母整肢園整形外科
2大阪大学医学部整形外科学教室
pp.784-791
発行日 1971年9月25日
Published Date 1971/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904594
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はじめに
脳および脊髄病変にもとづいて出現する,四肢・躯幹筋の痙縮は,単に機能障害をまねくばかりでなく,関節拘縮や変形の原因となり,また,リハビリテーションをすすめていくうえにも,大きな妨げとなる.このγ線維の過緊張を主因とする痙縮を除去する目的で種々の治療が行なわれてきたが,軽症例はともかく,強い痙縮を有する症例では,決して満足できる成果をあげていない.
著者らは,痙性まひ患者に,硬膜内および硬膜外腔フェノール注入により,痙縮を軽減させ,重症例には,Bischofの脊髄切開術により痙縮を完全に消失させることができた症例を経験した.自験例にもとづいて従来の方法を検討するとともに,痙縮を効果的にコントロールする方法について述べる.
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