境界領域
乳癌転移例に対する外科的ホルモン療法
阿部 令彦
1
Osahiko ABE
1
1国立がんセンター病院外科
pp.614-626
発行日 1971年7月25日
Published Date 1971/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904572
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乳癌に対する内分泌療法は,ホルモンの投与や,内分泌機能の廃絶による内分泌環境の変化をある種の癌の治療に応用するという考え方に立脚する.すなわちSchinzinger(1889)が進行乳癌に対する卵巣別除の奏効する可能性を指摘したのに始まり,Beatson(1896)の臨床的追試で実証されたことに由来しているが,現在臨床上癌の内分泌療法が実際に行なわれている対象は,おもにホルモン依存性癌といわれる乳癌と前立腺癌とである.しかも,その根治手術の適応のない進行症例に行なわれるのが原則である.
乳癌伝移例に対する外科的ホルモン療法には,卵巣剔除,副腎剔除,下垂体剔除などがある.
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